高輪プリンス前のバス停で六本木ヒルズ行きのバスを待っていると、
和やかな面持ちの老人が声を掛けて来た。
「新宿方面のバスは何処から出るのでしょうか?」
「そっちですね、どちらまで行かれるんですか?」 と問い返すと、
「魚藍までなのでここでもいいのですが」「ならこっちが先に来ますよ」
「あ、そう
…暫しの沈黙を経て、その老人は説くように語らい始めた。
昔はこの辺が宮家の土地だったこと、私鉄が北品川まで延びていたこと等々、
品川近
そのままバスにも隣り合わせて座り、
泉岳寺付近は昔からのお寺がイッパイある歴史
この辺に住んでた宮家は、今目黒駅近くにアールデコ様式の
昔の電車はエアブレーキが無かったから、運転手が
特にこの辺は坂道が多いから大変だった、等々、
素敵
そして、去り際に彼はこう言った。
「最近寂しいことがイッパイ起きてるけど、 私は日本が本当に美しい国だと思うん
その良さが忘れてられてしまわないように、 私は与えられた残り少ない時間
これからの時代を背負う貴方のような方々に伝え続けて行きたいんです
突然失礼しましたね、ありがとうございました。」
と、かぶっていた毛糸帽を脱ぎ、禿頭を下げてくれた。
そして、バスの運転手にまで深々と頭を下げて 「ありがとうございました」と言っ
心が洗われただけでなく、トリビア以上の多くのことを教わった。
こういう老人に、俺はなりたい。
その為に、今何を考え、何をすべきか。
今一度見つ
ありがとうございました。